近年、文章や画像を生成するAIが登場しネット上でも大きな話題になっています。
文章を生成するAIはChatGPT、画像を生成するAIはStable Diffusion OnlineやBing Image Creatorなどが有名です。
そしてついに、音楽制作にもAIが活用されるようになりました。
ジャンルや雰囲気などを指定すれば自動で作曲をしてくれて、商用利用までできるサービスも登場しています。
しかし自動音楽制作AIにも様々なものがあるため、どれを選べばいいか迷ってしまう方もいるのではないでしょうか。
そこで本記事では、近年話題になっている音楽制作AI「SOUNDRAW」について、評判や実際に使った人たちの感想を詳しく紹介します。
音楽制作にAIを活用したいと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
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音楽制作AI「SOUNDRAW」とは
SOUNDRAW(サウンドロー)はAIを用いた自動作曲サービスで、2020年に設立されたSOUNDRAW株式会社が運営しています。
他の音楽制作ソフトとは一線を画す、SOUNDRAWの特徴や価格についてご紹介します。
SOUNDRAWの基本的な機能と特徴
SOUNDRAWは、動画作成者・ライブ配信者・ボーカリスト等のクリエイターに向けた自動作曲サービスです。
- 探し出したフリーBGMの尺が動画に合わない
- もう少し静かな雰囲気の音楽が欲しい
- フリー音源を編集して動画に使ったら、著作権についてのクレームが来た
こういったクリエイターたちが抱える悩みを解決するために、サービスが開始されました。
確かに、映像・ライブの雰囲気や長さにピッタリ合うBGMを探し出すのはなかなか骨の折れる作業ですよね
SOUNDRAWは社内に数名の作曲家を抱え、作曲家たちが作ったものをAIに学習させて自動作曲サービスを提供しているそうです。
曲の長さやテンポの速さ、ムードやジャンルを選ぶだけで、数種類の音楽を自動的に生成してくれます。
- 長さ:10秒~5分の間で選択可能
- 速さ:Slow/Normal/Fastから選択可能
- ムード:Happy/Romantic/Peaceful等25通り
- ジャンル:Acoustic/Rock/HipHop等20通り
- テーマ:Cinematic/Comedy/Gaming等22通り
筆者も実際にSOUNDRAWのサイトでBGMを作ってみましたが、あっという間に出来上がって驚きました。盛り上がりポイントなども自由に調節できて、ちょっと楽しかったです。
作曲した曲は、私的利用・商用利用ともに可能なライセンス形式で提供されます。
SOUNDRAWの価格・ライセンス形態・著作権
SOUNDRAWには無料版と有料版があり、違いは次の通りです。
- AIで作曲(曲数無制限)
- 楽曲のブックマーク
- 私的利用、商用利用
- 楽曲のダウンロード(1日50曲まで)
- YouTube・SNS等への利用
- その他の利用(コーポレートビデオ、WEB広告、テレビ、ラジオ、ポッドキャスト、ゲーム、アプリ等)
有料会員(個人プラン)の料金は月額1,990円となっており、年間払いすると月額1,650円になります。
無料会員は「お試しで作曲してみる」程度しか使えないため、動画等に使いたい場合は有料会員登録が必要です
また、SOUNDRAWのライセンスは次のようになっています。
- 動画:BGMとしての利用は可、音楽が主目的である場合そのままの使用は不可
- 音楽・音声:BGMとしての利用は可、そのままストリーミング配信等は不可(単体で使用する場合は大幅に編集する必要有)
- ゲーム・その他:BGMとしての利用は可、楽曲をそのまま販売・譲渡は不可
【詳しくはこちら】AI Music Generator – SOUNDRAW(外部リンク)
SOUNDRAWで生成された楽曲の著作権はすべてSOUNDRAW株式会社に帰属します。
ただし、ライセンス範囲内での使用であれば著作権侵害には当たらないとみなされるため、動画やゲームなどで自由に使用が可能です。
SOUNDRAWの評判と使ってみた感想
続いて、SOUNDRAWを実際に使っている人たちの感想や評判を紹介します。
SOUNDRAW利用者の声
上記のように「作曲のクオリティが高い」という声が多く見られます。
特に動画編集や映像作成するクリエイターたちにとっては、作りたいものにピッタリはまるBGMを探す手間を省ける点が評判のようです。
筆者も実際にSOUNDRAWのサイトでBGMを生成してみましたが、画面の作りがシンプルで直感的に操作できました。作曲に慣れていない方でも簡単に楽曲を生成できる点も良いと思います。
SOUNDRAWの長所と短所
続いて、SOUNDRAWの長所と短所について見ていきましょう。
- ハイクオリティな楽曲を作成できる
- 操作がシンプルで簡単
- 商用利用も可能
長所として挙げられるのは、やはり「ハイクオリティな楽曲を簡単に作成できる」という点です。
映像やゲーム制作において、ほしい雰囲気や尺のBGMを的確に探し出すのは大変ですよね。
しかしSOUNDRAWを使って尺や速さ、雰囲気を指定すればお目当てのBGMを簡単に作ることができるので、クリエイターにとっては大幅な労力の削減になります。
- 利用料金がかかる
- バリエーションが少なく、単調な曲になりがち
一方でSOUNDRAWの短所として挙げられるのは、利用料金がかかることです。
とはいえ月額1,990円で商用利用ができ、あのクオリティのものを作れるのなら正直破格だとは思います
またSOUNDRAWでいくつか楽曲を生成してみて、単調な曲になりがちだなということを少し感じました。
まだまだバリエーションも少なく、似たような曲が数種類出来上がることもありました。例えば作成した曲に歌をつけたいといった場合は、少し物足りなく感じるかもしれません。
SOUNDRAWと他のAI作曲サービスの比較
AIを使って作曲してくれるソフトやサービスは他にも存在します。
本章では、他サービスと比較しながら改めてSOUNDRAWの特徴や長所について深掘りしていきたいと思います。
SOUNDRAWと他サービスの違い
FIMMIGRAMとの比較
FIMMIGRAM(フィミグラム)も、AIを使った自動作曲サービスです。
6つのテーマの中から好きなものを選ぶだけで、簡単に楽曲を自動生成してくれます。
楽曲データはMIDIでダウンロードできます。そのままDAWで細かく編集もできますが、楽曲制作に慣れた人でないと操作に戸惑うかもしれません。
楽曲制作や編集に慣れていない方には、SOUNDRAWのほうが直感的に操作できてオススメです。
CREEVOとの比較
CREEVO(クリーボ)は、歌詞を入力することでオリジナルメロディーを生成できるAIサービスです。
CREEVOは文化の創造と進化(creation and evolution)を支える知能の仕組みを理解するための研究プロジェクトの一部として運営されており、京都大学が研究・開発を行っています。
「おまかせ作曲」と「デザイン作曲」の2つのモードがあり、「デザイン作曲」を選ぶとテンポやコード進行、伴奏楽器など様々な設定が可能です。
ちなみにメロディースタイルを選ぶ画面は「あいみょん風」「嵐風」「EXILE風」などがありました(笑)
- 歌詞から楽曲を生成できる
- 生成された曲はパブリックドメイン(著作権なし)として扱われる
操作方法も簡単ですが、雰囲気や曲調のバリエーションは少なめに感じました。雰囲気やジャンルを細かく指定したい場合はSOUNDRAWのほうがオススメです。
SOUNDRAWがオススメな人
他のAI自動作曲サービスとの比較から、SOUNDRAWは次のような方にオススメと言えるでしょう。
- 特定のジャンルや雰囲気の曲を簡単に作りたい
- 音楽制作経験がない
- 動画やゲームのBGMに使用したい
SOUNDRAWは、動画やゲームのBGMに使用するようなものであれば高品質な楽曲を簡単に作成できます。
逆に、曲に歌詞をつけたりサビだけコード進行を変えたい等、凝った曲を作りたい場合だと少し物足りなく感じるかもしれません。
まとめ
今回は、AI作曲サービスとして高い評価を得ているSOUNDRAW(サウンドロー)について、特徴や他サービスとの違いを詳しく解説しました。
- ほしい雰囲気や尺の楽曲を簡単に作成できる
- シンプルで直感的な操作画面
- 商用利用も可能
これまでBGM探しに苦労してきた動画制作者、ゲーム制作者などのクリエイターたちにとってはかなり有用なサービスと言えるのではないでしょうか。
一方、音楽制作AIは他にもたくさん存在します。ぜひ自分のニーズに合ったものを選んでみてください。
本記事が、AI作曲サービスを探している方の参考になれば幸いです。