ネット銀行とは、その名の通りネット上で入出金や振込、金融取引などの手続きができる銀行のこと。
店舗や窓口はありませんが、手数料の安さや金利の高さなどから近年注目を集めています。
しかし、ネット銀行には店舗や窓口だけでなく紙の通帳もないことが多いため「残高や取引履歴はどうやって確認するんだろう?」「紙の通帳の代わりになるものはあるの?」と疑問に思う方もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、そんな疑問を持つ方に向けて
ネット銀行において、紙の通帳代わりになるものはあるのか?
このテーマで、各ネット銀行のサービスを比較しながら解説していきます。
ネット銀行をまだ使ったことがない方、どのネット銀行を選んでいいか分からない方向けに参考になる情報をまとめていますので、ぜひ最後まで目を通していただければと思います。
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ネット銀行とは
ネット銀行の特徴
ネット銀行とは、入出金や振込、金融取引などのサービスをインターネット上で行う銀行のことを指します。
一般的にネット銀行は店舗や窓口、自社ATMを持っていません。
しかしメガバンクや都市銀行にくらべて各種手数料が安い・金利が高めに設定されているといった特徴があります。
- 入出金や振込などの手続きがネット上で完結する
- 店舗、窓口、自社ATMを持たない
- 各種手数料が安い、金利が高い
ネット銀行のメリット・デメリット
メガバンクや都市銀行と比較しながら、ネット銀行のメリット・デメリットについて解説します。
- 各種手数料が安い
- 金利が高い
- 24時間365日いつでも手続き可能
ネット銀行のメリットとして一番に挙げられるのは、やはり手数料の安さと金利の高さ。
多くのネット銀行は店舗や窓口を持たないため、メガバンクや都市銀行のように維持費や人件費がかかりません。
その分、安い手数料や金利の高さという形で利用者に還元してくれているのです。
また、一般的な銀行の窓口受付時間は9時~15時ですが、ネット銀行の場合はネット環境さえあれば24時間365日、自分の都合に合わせていつでも手続きが可能です。
このように便利なネット銀行ですが、デメリットとしてはどのようなものがあるでしょうか。
- 店舗や窓口がないため対面でのサービスがない
- 公共料金の引き落としに対応していない場合がある
- 通帳がないため取引履歴を紙に残せない
ネット銀行は店舗や窓口を持たないため、対面でサービスを受けることができません。
Q&Aや問い合わせフォームなどが設けられていますが、インターネットに不慣れな方は少し不便に感じるかもしれませんね。
また、電気・水道・ガスといった公共料金の引落口座をネット銀行に指定する場合も注意が必要。
ネット銀行は口座引落に対応できる企業の数がかなり限られている為、自分の住む地域の公共料金支払いに対応していない可能性があります。
楽天銀行の場合、電力会社だと東京電力・関西電力・中部電力の3社しか対応していません。
またネット銀行には紙の通帳がないため、入出金や取引履歴を紙に残せないといったデメリットもあります。
ネット銀行の通帳代わりになるサービスとは
紙の通帳がないのなら、入出金明細や取引の履歴はどうやって確認するの?
こういった疑問をお持ちの方もたくさんいるかもしれませんが、多くのネット銀行では紙の通帳に代わってWeb通帳を提供しています。
Web通帳の概要
Web通帳とは、Web上で閲覧できる通帳サービスのことです。
ネット銀行のサイトやアプリでログインすることでいつでも閲覧することができ、入出金や取引の明細、残高などが確認できます。
基本的に、紙の通帳とくらべて内容はそれほど違いはありません。
Web通帳のメリット・デメリット
ネット銀行において紙の通帳代わりとなるWeb通帳には、どんなメリットがあるのでしょうか。
- 必要なときにいつでも確認できる
- 紛失のリスクがない
- 記帳の手間や時間が省ける
ネット環境さえあればいつでも明細や残高を確認できる手軽さは、Web通帳の大きなメリットと言えるでしょう。
紙の通帳のように紛失を心配する必要がなく、定期的に銀行に出向いて記帳する手間もありません。
しかし便利なWeb通帳には、こんなデメリットもあります。
- ネット環境がないと見られない
- セキュリティ対策のためにパスワード管理が必須
- さかのぼれる期間に制限がある場合がある
ネット環境なしで生活している人はいないとは思いますが、スマートフォンの通信制限や速度制限にかかってしまうと、確認したいのに見られない…ということがあるかもしれません。
また、ネット銀行ではアプリにログインする際や取引の際にパスワードの入力が必要。
セキュリティ面から考えればしっかりしていて安心ですが、いろいろなネット銀行に口座を持っている場合は管理が大変になってしまうというデメリットも。
そして、Web通帳はさかのぼって確認できる期間に制限がある場合がほとんど。
長期間さかのぼって確認したい場合はお客さま情報照会などで問い合わせる必要があるため、急いでいるときなどはちょっと不便かもしれませんね。
ちなみに筆者は三菱UFJ銀行のWeb通帳サービス「eco通帳」を利用しています。
ブラウザやアプリの明細でさかのぼれるのは2年まで。最長で10年分の明細をさかのぼることもできますが、取引推移表の申込が必要です。
各ネット銀行のWeb通帳サービス
続いて実際のWeb通帳サービスについて、いくつかのネット銀行を取り上げながら具体的に説明します。
楽天銀行のWeb通帳
楽天銀行では、インターネットブラウザやアプリ上でいつでも確認ができるWeb明細を提供しています。
ブラウザ上やアプリ上でさかのぼれる期間は最大24ヶ月。
他行とくらべて短めに感じるかもしれませんが、CSVやPDFで出力すれば「口座開設日から依頼した日の前日まで」のすべての明細を見ることができます。
また電話による自動応答サービスを利用すれば、普通預金の口座残高や最新5件の取引履歴を確認することもできます。
住信SBIネット銀行のWeb通帳
2007年に開業したネット専業銀行である住信SBIネット銀行には、いつでもリアルタイムで確認できる入出金明細があります。
ブラウザやアプリにログインすることで利用でき、7年前の1月1日以降の明細までさかのぼることが可能です。
三井住友銀行のWeb通帳
三井住友銀行はネット専業銀行ではなくメガバンクのひとつですが、SMBCダイレクトというインターネットバンキングサービスに申し込むことでWeb通帳を利用できます。
SMBCダイレクトのWeb通帳の特徴としては
- 30年後もさかのぼって確認できる(2019年以降の取引が対象)
- 明細にラベルをつけたり、メモを書き加えることができる
こういった点が挙げられます。
特に銀行通帳を家計簿のように使っている方にとっては、入出金の記録にラベルやメモをつけられるのはとても便利ですね。
他ネット銀行のWeb通帳サービス
そのほかにも
- 楽天銀行
- PayPay銀行
- イオン銀行
- auじぶん銀行
こういった各種ネット銀行が、紙の通帳代わりにネット上で入出金や取引履歴を閲覧できるWeb通帳を提供しています。
それぞれの銀行によって、追加機能やオプションサービスがある場合もあります。通帳をどのように使いたいか?という自身のニーズに合わせて選ぶことが大切です。
ちなみに三菱UFJ銀行や三井住友銀行、みずほ銀行といったメガバンクでは、紙の通帳からWeb通帳に切り替えることで
- 振込手数料が数回分無料になる
- ATM手数料が数回分無料になる
- キャッシュバックを受けられる
こういった優遇を受けられる場合があるので、ぜひチェックしてみてください。
ネット銀行を選ぶ際のポイント
まだネット銀行を使ったことがない方へ向けて、ネット銀行を選ぶ際にどんなところを見て選べばいいのか?について解説していきます。
Web通帳が使いやすいかどうか
- 口座の入出金をしっかり管理したい
- 通帳を家計簿代わりに使いたい
こういった方には、紙の通帳代わりとなるWeb通帳が見やすく、使いやすいネット銀行を選ぶのがおすすめ。
アプリの操作性や明細の見やすさ、どのくらいの期間さかのぼって確認できるか、といったことも要チェックです。
ちなみに筆者は三菱UFJ銀行でWeb通帳(eco通帳)を利用しています。
明細にメモ欄があるので「家賃」「クレジット引き落とし」「給料」などメモしていますが、お金の流れが見やすくとても便利。スマートフォンを横向きにすれば、紙の通帳とほぼ同じ見た目になります。
手数料や金利
ATM手数料や振込手数料は一回数百円ですが、積み重なるとかなりの出費になりますよね。
ネット銀行は手数料が安めに設定されている場合が多いですが、「月○回まで」のように条件付きのこともあるので注意が必要です。
手数料を無料にするためにはいくつかの条件を満たしていることが必要といったパターンもあります。
- 預金残高○円以上
- 月間の取引が○回以上
- 給与受取口座に設定している
- 提携するクレジットカードの契約
預金残高やサービスの利用に応じてステージがランクアップしていき、手数料が無料になる回数が増えていくシステムを採用しているネット銀行もあります。(例:楽天銀行、イオン銀行など)
また、ネット銀行はメガバンクや都市銀行にくらべて金利が高い傾向にあります。
たとえば、あおぞら銀行BANK(あおぞら銀行のインターネットバンキング)の普通預金金利は年0.2%。一般的な都市銀行とくらべると約200倍にもなります。
すぐに使う予定のないお金は高金利のネット銀行に預けておくことで、預金利益を増やすことが可能になります。
生活口座と貯蓄口座を分けている場合、貯蓄口座はネット銀行で開設するのが断然オススメ。定期預金に入れればさらに高金利の優遇を受けることもできます。
まとめ
今回は、ネット銀行に紙の通帳代わりとなるサービスはあるのか?残高や取引履歴はどのように確認するのか?について、各ネット銀行のサービスを比較しながら解説しました。
ネット銀行において紙の通帳代わりとなるWeb通帳サービスには
- 必要なときにいつでも確認できる
- 紛失のリスクがない
- 記帳の手間や時間が省ける
こういったメリットがあり、とても便利に使うことができます。
また各ネット銀行によって手数料や金利も異なります。
自身の生活スタイルや取引パターンに合ったネット銀行を選ぶことで、より快適・便利にネット銀行を利用することができるでしょう。
本記事でも各銀行のサービスを比較して紹介していますので、自身にあった最適なネット銀行を選んでみてください。